
マイノリティ言語の世界につながる
1回目:2022年1月11日(火)17:00~18:45
福田牧子「話者数1千万人以上のマイノリティ言語:カタルーニャの社会言語的現状」
2回目:2022年1月22日(土)10:00~11:45
Wilson, William H.「よみがえるハワイの言語と文化:
コミュニティ、ハワイ州、米連邦政府との関わりを通じて」
"Hawaiian Language Revitalization within Community, State and Federal Contexts".
SDGsの下に多様性を含む持続可能な社会が目指される中、未だマイノリティの問題は解消されていません。本講演会ではマイノリティ言語に着目し、その歴史と現状を通して問題を共有し、同じ現在を生きる私たちとのかかわりやつながりを考えていきます。1回目は現在も使用者が多いカタルーニャ語(スペイン)、2回目は一旦消滅の危機にさらされ復興を遂げつつあるハワイ語(アメリカ合衆国)についてで、
異なる現状におかれたマイノリティ言語に関して話題提供していただきます。
Zoom開催(要・事前参加登録)。参加無料。
締め切りました
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2022.01.11
福田 牧子
「話者数1000万人以上のマイノリティ言語:カタルーニャの社会言語的現状」
本講演では、スペイン・カタルーニャ自治州を中心とするカタルーニャ語の社会言語的状況を解説する。英語やフランス語等のいわゆる「メジャー言語」と呼ばれる言語に対し、通常「マイノリティ言語」にカテゴライズされているカタルーニャ語は、全世界の話者数が一千万人を超え、その数は同じEU公用語であるスウェーデン語やデンマーク語のそれを上回る。それでは何故、カタルーニャ語は「マイノリティ言語」としてカテゴライズ
されているのであろうか。
本講演では、まずカタルーニャ語がマイノリティ言語となった歴史的背景を辿り、カタルーニャ語が「正常ではない」状態になった過程を紐解いて行く。さらに、カタルーニャ語の現在の社会言語的状況を「非カタルーニャ人」の視点も交えて見て行く。グローバル化の産物とも言える移住者の増加を鑑みると、カタルーニャ語の存続は決して一地域の「ローカルな」問題ではなく、グローバルな問題でもあると言える。そこで、国際結婚家庭の二世以降や移住者などの潜在的にカタルーニャ語の未来を担う人々の言語使用、言語態度の実態にも迫る。
2022.01.22
Wilson, William H.
「よみがえるハワイの言語と文化:
コミュニティ、ハワイ州、米連邦政府との関わりを通じて」
"Hawaiian Language Revitalization within Community, State and Federal Contexts"
国連は2022年から2032年までの10年間を先住民言語の10年と宣言した。世界の先住民言語の中でも、ハワイ語は言語復興に成功した先住民言語として、世界の他の地域の言語復興にたずさわる人々の注目を集めている。1980年代初頭にハワイ語復興運動が産声を上げた当時、18歳未満でハワイ語を流暢に話せる子どもの数は50人未満だった。また、州法では義務教育機関においてハワイ語を使用することは違法とされた。ハワイ語復興運動は、ハワイ語による教育を再生することを目的としたハワイ大学によるプログラムから始まった。具体的には、非営利団体の「アハ・プーナナレオ」とハワイ大学ハワイ語学部によって端緒が開かれ推進された。今日、米国国勢調査では、ハワイ語はハワイの家庭で話されている英語以外の言語の中で、最も一般的な言語であると報告されている。講演では、私がハワイ語復興運動に関わるようになったきっか け、言語復興運動の変遷、その過程での支援要員と阻害要因、現状と今後の課題について触れる予定である。参加者からの質問を楽しみにしている。本講演が、より多くの若者が世界のマイノリティ言語への関心をもつきっかけとなることを願っている。
タイムテーブル
1回目 2022年1月11日(火)
※使用言語:日本語
16:45
17:00
17:10~18:00
18:00~18:45
18:45
開場
開会の辞
講演:福田牧子(バルセロナ自治大学・准教授)
「話者数1千万人以上のマイノリティ言語:
カタルーニャの社会言語的現状」
質疑応答・Discussion
閉会の辞
タイムテーブル
2回目 2022年1月22日(土)
※使用言語:英語(日本語要旨配布、
一部通訳あり)
9:45
10:00
10:10~11:00
11:00~11:45
11:45
開場
開会の辞
講演:Wilson, William H.(Professor, University of Hawaii, Hilo.)
"Hawaiian Language Revitalization within Community, State and Federal Contexts"
質疑応答・Discussion
閉会の辞
講演者について

福田 牧子
バルセロナ自治大学 翻訳通訳学部東アジア研究科・
准教授
1998年慶應義塾大学環境情報学部卒業。2000年同大学政策・メディア修士課程修了(政策・メディア修士)、2009年バルセロナ大学博士課程修了(カタルーニャ文献学博士)。主な著書に、Fukuda, M (2017a) "Double gateway to the host society? Knowledge and perceptions of Japanese people living in Catalonia regarding language", Journal of Multilingual and Multicultural Development 38 (1):19-34, Fukuda, M (2017b) "Language use in the context of double minority: the case of Japanese–Catalan/Spanish families in Catalonia", International Journal of Multilingualism 14 (4): 401-418, Fukuda, M (2016) "From Japanese to Spanish, from Spanish to Catalan, but no English? A case study of language use and knowledge of Japanese residents in Catalonia", Revista de Llengua i Dret, 66: 15-37,などがある。また、訳書として福田牧子訳(2005)「カタルーニャ自治州・言語政策法」渋谷謙二郎(編)『欧州諸国の言語法・欧州統合と多言語主義』三元社、p.136−161がある。
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Wilson, William H.
Professor
Ka Haka ʻUla O Keʻelikōlani College of Hawaiian Language, University of Hawaii, Hilo.
ハワイ州オアフ島ホノルル生まれ。
10代を両親と共にヨーロッパ、メキシコ、アメリカ本土中西部などで過ごした後にハワイに戻り、ハワイ大学マノア校でハワイ語を学び言語学で博士号を取得。1978年からハワイ島ヒロにあるハワイ大学ヒロ校で教鞭をとり、ハワイ語課程の創設に関わる。幼児教育から大学院博士後期課程まですべ てハワイ語で教育するプログラムを構築。ハワイ語教師養成課程も併設する。その立役者のひとりとして、パートナーのカウアノエ・カマナー准教授とともにハワイ語・ハワイ文化の復興のために今も教育・研究にたずさわる。